オヴェールの広陵とした麦畑、空の青はゴッホ独特の深い青でカラスが群れを成して飛んでいる光景は何やら不吉な予感を漂わせている。 ゴッホの自殺とこの作品の不穏な空気のせいか、今までこの作品はゴッホの絶筆といわれていたがゴッホの手紙から、このあと数点を描いていることがかった。どうやら最後に書かれた作品は当美術館で紹介している『ドービニーの庭』である可能性がつよい。 いずれにしても、この頃のゴッホの心の内を推し量ろうとしてもこの作品の空の色が示すように暗く困難であったことは間違いないようだ。