ゴッホは20点ほどの『ひまわり』を描いている、中でもゴーギャンを迎えるためにアルルで描いたといわれる7点は装飾性が強く完成度も高いといわれている。この作品もその中の一つである。 ゴッホは弟テオに手紙を書いているが「ゴーギャンと一緒に自分のアトリエで暮らせるという希望が出来ると、アトリエのためにひまわりで部屋中を飾りたいと思うんだ」と伝え当時のゴッホの嬉しさが伝わってくるようだ。 しかし、ゴッホは「ひまわり」という花についてあまり多くを語っていない。彼自身がこの花に何を求め、何を感じていたのか推測するしかないが、この花の持つ自己主張の強さ、燃えるように際立つ黄色、葉や茎の緑との鮮やかなコントラストがゴッホの思考スタイルにマッチしたのではないだろうか。 きっと、ゴーギャンには「ひまわり」の魅力を熱く語っていたにちがいない。ゴーギャンもまた「ひまわり」を描いている。 ちなみに(旧)安田火災がバブル期に別の「ひまわり」を58億円で落札している。