作品名:春の小さな草地 製作年:1881年 サイズ:54x73cm 技法 :油彩 キャンバス 所蔵 :ロンドン テイチギャラリー |
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前作品で注目した空間の繊細さは,この川の同じ一帯をみずみずしく描いたこの光景でも十分にきわだっている。シスレーはここでは北を向いており,画家の左側の上方にビイの村,右側の川向こうにシャンパーニュの村がある。 この構図は,最も早い時期に制作された≪小さな町近くの小道≫と似ていをくもない。もっとも後者は方向が逆向きで,風景が左よりも右にはるか遠方まで開けているのだが。しかし,カンヴァスの右緑に沿って画面に侵入している枝は,シスレーとそして見る者がいる空間をより雄弁に暗示するのに役立っている。そして,立っている少女はジャンヌ・シスレーであることは疑いない(彼女は前作のときと同じワンピースと帽子を身につけている),観者の注意を前景につなぎ止めると同時に,彼女の背後の小道の退行をはっきりと示している。 ジャンヌが登場する似かよった作品でシスレーは,ここで描かれたやわらかな午後の光線よりもむしろ朝の光線のなかで,この木の茂った小道(フォンテーヌの小道)を描写しているが,これはウィリアムズタウン(マサチューセッツ州)のクラーク美術研究所にある。 この作品はギャラリーアオキ購入できます。 印象派と呼ばれる人たち「シスレー」 |