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有名西洋絵画の解説と紹介をするインターネット美術館です。

作品解説「デルフトの小路

フェルメール(オランダ)1632〜1675

作品名:デルフトの小路
製作年:1660年
サイズ:54.3x44cm
技法 :油彩 カンバス
所蔵 :アムステルダム国立美術館
フェルメール デフルトの小路
 

路地や裏庭は、デルフトで活躍したピーテル・デ・ホーホ†がしばしば取り上げたテーマである。ここに描かれた建物は、フェルメールが育った宿屋「メーヘレン」と運河を挟んで目と鼻の先にあった養老院ではないか。
この絵が描かれた1〜3年後の1661年、この建物の一部は聖ルカ
組合の本部集会所のために改築され、その面影は失われてしまった。
        
描かれた建物の破風の各段には、縦の細い切れ目が見える。これは銃眼と呼ばれるもので、中世の街に見られたものだ。デルフトでは1654年の火薬庫の大爆発や火災などによって、中世の面影を伝える古い建物が大きな被害を受けた。こうした状況にあって破風が描かれたのは決して偶然ではなく、フェルメールの意識的な選択によるものであろう。古きデルフトの姿を彷彿させることで、デルフトを顕彰しているのである。

この作品はギャラリーアオキで購入できます。