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有名西洋絵画の解説と紹介をするインターネット美術館です。ラ・トゥール 

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

再発見された夜の画家



Georges de La Tour

1593〜1652

 

フランス
 


1593年ロレーヌ公国(現フランス北東部)でパン屋の息子として生まれる。
ロレーヌ公国はフランスとドイツに挟まれた小国であったため、また宗教的にもカソリックとプロテスタントの争いの激しい地域でもあったことからラ・トゥール自身もその身の置き所に苦労した。
23歳までの記録はほとんど残っていないためどのように成人したのかは不明だが若いころから絵の才能は高く評価されていたようだ。アンリ2世がラ・トゥールの作品を150フランで買い取った記録が残っている(労働者の一日の賃金が1フランの時代)

ロレーヌ公国がフランスの支配下に入った後もラ・トゥールの作品はフランス政府が高価で買い上げていたが地方都市での活動のためかラ・トゥール自身の名声は高まることがなかった。
ラ・トゥールの死後は急速に彼に対する関心が薄れ、その後、約260年もの間、完全に忘れ去られていた。
19世紀には作品そのものを評価する声はあったが画家が誰なのかを詮索する者はいなかった。作品に署名があるにもかかわらずフランドルかオランダあたりの無名画家の作品と思われていた。

ラ・トゥールが再発見されたのは、第一次大戦中の1915年、ドイツの美術学者ヘルマン・フォスが「ろうそくの光」という共通点に着目をしラ・トゥールを再発見した。1931年には「クラブのエースを持ついかさま師」がラ・トゥール作と判明し、昼の情景にも優れた画家であることが知れ渡った。次々にラ・トゥールの作品が日の目を見ることとなり、今日では17世紀の巨匠の一人に数えられている。


 ラ・トゥールの作品
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