フランス革命前の浮薄な時代状況からすれば、プーシュの作品は、彼が仕えた賛沢な支配者階級の家具・装飾品の付属品としておあつらえむきだった。 この作品は一見優美さを欠くように見えるが、プーシェは倒れた植木鉢、絹のようになめらかな草、サクランポを少女の膝に落とす青年の挑発的なまなざしを用いて、この無邪気な題材を奔放な官能性にあふれる絵に仕立て上げている。