帰国の年の秋、京都に遊んだ黒田は、生まれて初めて見る舞妓にエキゾティックな興味をかき立てられて、本作を描いた。 触ったら壊れそうな気がしたという当時の感想とは裏腹に、画中の舞妓は八頭身の健康的な姿で描かれている。 留学中に法律から画家志望に転じた黒田のまなざしは、限りなく西洋人に近かった。