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有名西洋絵画の解説と紹介をするインターネット美術館です。

作品解説「窓から見たパリ」

マルク・シャガール (ベラルーシ)1887〜1985

作品名:窓から見たパリ
製作年:1913年
サイズ:132.7x139.2cm
技法 :油彩 キャンバス
所蔵 :ニューヨーク グッゲンハイム美術館

1910年にパリに移住したシャガールは、当時最先端の芸術にふれる。上空の面の構成や窓枠の色彩は、都市のきらめく光のスペクトルを直接写し取ったかのようだ。
本作の様式には、キュビスムに華麗な色彩を導入した画家、ロベール・ドローネー(1885〜1941)の影響がみられる。窓の外を眺める人物は、古代ローマの神ヤヌスのように2つの顔をもち、窓際の猫も、古代エジプトのスフィンクスの顔のように措かれる。
パリは、シャガールにとって2つの顔をもつ都市として見えたのであろう。ひとつは、近代文化の坩堝である「現実」の都として。もうひとつは、想像を絶する「神話」めいた狂騒が繰り広げられる、夢の都として。