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作品解説「ディオゲネスを訪れるアレキサンダー大王

ニコラ=アンドレ・モンシオ(フランス)1755〜1837

作品名:ディオゲネスを訪れるアレキサンダー大王
製作年:1818年
サイズ:149.5x180cm
技法 :油彩 キャンバス
所蔵 :ルーアン美術館

モンシオは1773年にローマ大賞を獲得した古典主義の画家ペイロンの弟子としてその画業を開始した。ある芸術保護者によって1776年から80年までローマに滞在し、そこでダヴイッドに紹介されることになる。フランスに戻ったモンシオは古典的主題を描し)た作品をサロンに送り、1789年に『アジウスの死』によってアカデミー会員となる。

これは、似たような大きさの『マルセイユのペスト』(ルーヴル美術館)とともに1819年のサロンに出品された。この年にジェリコーの『メデューズ号の筏』が出品されたことを思い出そう。このころ病気を患っていたモンシオは自分の後半期の作品が人間の徳性を称えるものであることを望み、その思いがペスト患者の世話をするマルセイユの司教のようなキリスト教的美徳や、ディオゲネスのようなストイシズムをテーマとする作品を制作させることになった。
 このギリシアの哲学者の物語は、モンシオの道徳的で感傷的な絵画の傾向にぴったりとはまったテーマである。場面はアレキサンダー大王とディオゲネスのコリントスでの有名な出会いで、ひとつの樽をねぐらとして豊かさと社会的因習への軽蔑を教える哲学者に、ギリシア世界の支配者は他に望むものはないのか、と尋ねる。この間いに対してディオゲネスは「さよう、私の太陽を遮らないでくだされ」と答えるのである。

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