西洋絵画美術館
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「ラ・ジャポネーズ」

クロード・モネ  1875年 油彩 カンヴァス 231.5x142cm 
ボストン美術館


Claude Monet
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ある科学者は,自然を知るには,豊かな感受性を維持しながらこれを熟視する強健な肉体が必要であると記している。妻のカミーユに日本の打ち掛けを着させたこの奇妙な肖像画は,自然の類いまれな観察者として長い,持続する年月を過ごしていたモネの,いわば休息図なのである。モネの日本趣味は有名で,彼のジヴュルニーの家には,233枚もの浮世絵版画が残されていたほどであったが,彼はおそらく,1871年にオランダのザーンダムを訪れたとき,初めて浮世絵を購入したのだ。活発な世界貿易を続けていたオランダには,日本からの陶磁器の包装として使われた浮世絵が早くから顔を見せていた。フランスでもまた,1867年のパリ万国博覧会が,日本からの出展を得て,この異国への興味を刺激し始めるのである。
 だが,モネの作品としては特殊なこの肖像画には,依然として一般に受け入れられない風景画家モネの一種のユーモア,あるいは批判精神が込められているのである。まるで浮彫のように飛びだした怒れるサムライの模様も奇妙だが,壁面の団扇が不可解な散り様を見せているので,当時のある批評家は,この金髪娘は手品師であろうと評した。モネの手品は成功して,この大作は高い値で売れてしまったのである。
 
 


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ゴッホの手紙  世界に広がる印象主義


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