クロード・モネ (フランス1840〜1926) 「散歩・日傘をさす女」 1875年 油彩 カンヴァス 100x81cm ワシントン ナショナルギャラリー

西洋絵画美術館>>印象主義>>散歩・日傘をさす女                  モネの複製画


モネ 散歩・日傘をさす女



 ブ−ダンから戸外で描くことを勧められたモネは、戸外のその場で直接描くすべての繰にはアトリエでは出せない力と生命があることを学んだ。
アトリエで描く画家が常にアカデミックな慣例と独自のマニエリスムに手を染めているのに対し、戸外で制作する画家は、常に変化する雰囲気、ひっきりなしに変化する光に反応することを強いられている。

画家はいつの時代でも戸外でスケッチし、自然の外観を、まずは鉛筆、チョーク、そして水彩絵の具で、そして18世紀末以降になると時には油絵の具でもしっかりと描きとめた。しかし、これはあくまでも、アトリエで初めてカンヴァスに移され、アカデミズムに規制された規則に基づいて伝統的な構図に仕上げるための下絵でしかなかった。

画家が自然の中で絵の構想を練り、制作に入り、時には戸外で仕上げるためにイーゼル、カンヴァス、油絵の具、パレットを持って出かけるという状況は、まったく新しい試みであり、絵画に革命的な影響を与えた。モネはこのような方法でアトリエを戸外に移した最初の画家の1人である。

これは、そもそも少し前にチューブ絵の具が発明されたことで、初めて可能となった。というのは、粉末絵の具と油を現場でi昆合することは、少なくともノルマンディーの強い風の中ではうまく行かなかったに違いないからである。

ともかく戸外で描くことは困難で大変なことだった。モネは夏には絵の道具のほかに、大きな日傘を持って出かけた。カンヴァスに直接日光が当たらないようにするためである。

寒い季節にはブーツを履き、ウールの服の上にコートを何枚も重ね着し、毛布にくるまってモチーフの前に座っているモネの姿がしばしば見かけられた。風の強い日にはイーゼルとカンヴァスを紐でしっかり結んだが、それでもなおよく風にいたずらをされた。

《ラ・ジャボネーズ》と同じ年に描かれたこの作品にこそ、当時のモネが追究していた色彩と光の課題が集約されているといつてよいだろう。草原を渡る風は、見る人の日のなかで色彩と−体となって渦巻き、ふたたび画面のなかへと戻つていく。手前の
草むらも、モデルとなった妻カミーユの白いドレスも、人物の背後に広がる空も、ひとつとして静止しているものはない。画面全体は軽やかなタッチ(筆触)で描き出され、草むらに立つ長男ジャンの帽子の赤い緑取り、彼の小さな肩に射す黄色い光、緑の日傘に反射する白い光、影になったカミーユの白いドレスにぽんやりと広がる黄色の反映など、モネの素早い手の動きは確実に多彩な光の効果をとらえている。

この作品はギャラリーアオキで購入できます。                           戻る