ジョン・コンスタブル(イギリス1776〜1837) 「フラットフォードの水車場(製粉所)」1821年頃 油彩 カンヴァス ロンドン テイトギャラリー

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  この絵は,1817年"航行可能な川の光景 と題されてロイヤル・アカデミーに出品された。この絵はまた,≪舟造り,フラットフォードの製粉所付近》に始まり,≪白い馬》から1820年代も続いていく6フィート画の大作に至る展開の過程をよく表している。
この絵は≪舟造り,フラットフォードの製粉所付近》の2倍のサイズがあり,まずアトリエで制作されたと推定される。
カンスタブルは,おそらく1816年の9月という早くにこの作品にとりかかっていた。
また,この絵は,≪舟造り,フラットフォードの製粉所付近》よりももっと構図が複雑であり,木々にはもっと動きがあり,ずっとはっきりして強い空,そして絵全体にいろんなできごとが豊かに描かれている。まず,はしけが左前景に端が見えている横断用の橋の下をさおでくぐろうとして馬を解き放している前景から,中景右奥の草刈鎌をもっている男の姿にまで続いている。これらのできごとは,カンスタブルがスタワ川の流域の働く人たちの生活を示そうとしたこと,「人間の活動に連なるもの」に満ちた風景を見せようとしていたことを如実に物語っている。
そして場所は再びフラットフォードであり,背景には亡くなったばかりの父の製粉所がある。カンスタブルの問題は,これらの人々や木々,川や水辺の植物といった細部をすべて愛撫するような正確さでこと細かに再現することと同時に,たっぶり大まかな,夏の日の光と陰の戯れ 彼が自然の”キアロスクーロ”と呼んだものを把握することにあった。
塗り直しの痕跡があるので,カンスタブルは,右側にある主要な木立のところどころを,展覧会後,描き直したと思われる。しかも,同じく展覧会後の1817年10月17日こ制作された2本の木の精緻な素描があるが,これがこの油絵の現在の状態に細かいところまで非常によく対応している。そのことも描き直しの証拠だろう。完成作品にこのように修正を加えることは,カンスタブルには珍しいことではなかった。


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