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有名西洋絵画の解説と紹介をするインターネット美術館です。モリゾ 

ベルト・モリゾ

ドレスを着た不屈の印象派画家



Berthe Morisot

1841〜1895

 

フランス
 
 モリゾという名を聞いてピンとくる日本人は少ないだろう。
ベルト・モリゾは印象派の女性画家である。現在の「印象派」の人気にも関わらずモネやルノワールほど日本ではその人気が浸透してこなかった。しかし、当時「もっとも典型的な印象派画家」と評されており印象派の中心的存在でもある。
ベルト・モリゾは1841年県知事の三女として生まれ、幼い時から絵を描くことが好きだったため母親は画塾に通わせた。やがて成長すると日課のようにルーブル美術館へ通い模写ばかりしていたという。当時、女性は美術学校への入学を拒否されることが多くルーブルでの模写は彼女の唯一の勉強手段だった。ルーブル美術館でマネと知り合い、マネはモリゾをモデルにした作品を何点も描いている。
1874年4月、グループ展(後の印象派展)にモネやルノワールなどに誘われ出品するが、マネはサロン(官展)での成功を目指すべきだと主張し彼女の参加に反対した。
この年、マネの弟ウジェーヌ・マネと結婚した。ウジェーヌはモリゾのマネージャー的役割を果たしモリゾは作品の制作に集中することが出来、名前も挙げられるほどに評価されるようになった。
父が県知事というブルジョアの家庭に育ったことが、女性でありながら画家としての成功をもたらしたという側面もあるが、彼女自身の才能と女性独特の視点による構図や色彩感覚はモネやルノワールとも違う独自のものがあり、特にウジェーヌと結婚後の作品にはその特徴が大きく表れている。



    マネが描いたモリゾの肖像





ブージヴァルのウジェーヌ・マネと娘
 作品はギャラリーアオキ「モリゾ」のページで購入できます。