ジョルジュ・ド・ラ・トゥール (フランス 1593〜1652) 「ヴィエル弾き」 1635年ごろ 油彩 カンヴァス 162x105cm ナント美術館

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ラ・トゥール


この作品はほぼ等身大で描かれている。
老いたヴィエル弾きの右手にはクランク棒が描かれている。この棒を回すことによって音が出、左手で弦を押さえて奏でる。
同時に歌を歌っているのだろうか口を大きく開けている。
表情から盲人ではないかと思われるが定かでない。
当時、楽師や芸人はまっとうな職業とは思われず、社会の底辺の存在であったがヴィエル弾きは楽師の中でも最底辺の存在であった。
この楽器は扱いが簡単で老人や盲人でも演奏できたこととキンキンと耳にうるさい音が出ることから同じ楽師仲間からも馬鹿にされる存在であった。
だがなぜか、当時の医療関係者からヴィエルの音がペストの予防に良いといううわさが広まった。当時ヨーロッパではペストが流行しており
これといった治療法も無かったことから『ヴィエル弾き』の絵が護摩札代わりになったのではないだろうか、多くの画家が『ヴィエル弾き』の絵を描いている。
この作品は長い間、スペインの画家の作品と思われていた。20世紀になってラ・トゥールの作品であることが証明された。




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