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有名西洋絵画の解説と紹介をするインターネット美術館です。

作品解説「大公の聖母」

ラファエロ 1483〜1520


作品名:大公の聖母
製作年:1504年
サイズ:84x55cm
技法 :油彩 板
所蔵 :フィレンツェ ピッティ美術館
ラファエロ 大公の聖母
                 


神の子イエスを生んだ聖母マリアは、むろん古くから信仰の対象であったが、キリスト教文学でマリアの生涯がくわしく語られはじめた中世以降は、いっそう聖母信仰が強まった。
礼拝のための聖母子像が数多く措かれ、また画家たちもそこに理想の女性像を表した。若き日のラファエロが措く聖母子像は、とりわけ情愛に満ちており、彼の名を一気に高めた。
この作品では、漆黒の闇に溶け込むように描かれる聖母子。ラフア工口の筆は、人物と背景との境が曖昧になるように、丹念にぽかしている。はっきりとした輪郭がないゆえに、かえって一人の肌の柔らかさとぬくもりまでが見る者に伝わるようだ。
目をそっと伏せて立つ聖母の典雅な姿は、私たちを深い静寂の時に引き込んでいく。