フランシスコ・デ・ゴヤ(スペイン1746〜1828) 「マドリード、1808年5月3日」1814年頃 油彩 カンヴァス 116x105cm マドリード プラド美術館

西洋絵画美術館 >> ロマン・写実主義 >> マドリード、1808年5月3日


 大きな角燈の不気味な光に照らされて、スペイン人の反乱者たちがフランスのマドリード占領軍によって処刑されている。夜空の下、顔を隠した兵士の列が一様に冷酷な構えで、銃の狙いを定めている。死を目前にした囚人たちには、恐怖と反抗と絶望が入り混じった身振りが見てとれる。ある者は顔をおおい、あるいは拳を握りしめ、修道僧は両手を組んで神に祈っている。
 ゴヤの視線は、殉教のキリストのように両腕を伸ばした中央の男に焦点を合わせている。角燈の光を受けて白く輝く男のシャツは、稲妻のきらめきにも似てをとらえる。感情的な効果を高めるために、ゴヤはこの男の背丈をまわりの人物よりも一段と高く描いた。男はひざまずいているが、もし立ち上がったら銃殺隊は小人のように見えるだろう。


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