フェルメール (オランダ1632〜1675) 「絵画芸術の称賛」1667年頃 油彩 カンヴァス 120x100cm ウイーン美術史美術館

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『絵画芸術の称賛』という変わったタイトルがついている。
当時、絵を描くということに職人と芸術家との境が明確でなく、自分は芸術家であるとのステータスを誇示するためにアトリエの風景が多く描かれた。
この作品も、そのタイトルから考えてそうした意味合いのものかもしれない。ただ、フェルメール自身はデルフト界隈では既に評判の画家であり、この作品はただのアトリエ風景ではないと考えるべきであろう。
まずモデルの異様な格好が目に付く。頭に青い月桂樹の冠を戴き、青い布をまとっている。左手には厚い本を持ち、右手にはラッパを持っている。
モデルの女性は目を閉じ僅かに微笑んでいるようだ。壁には大きなネーデルランドの地図が掛けてあり、女性の前の机には仮面のようなものが置いてある。
当然、フェルメール特有のメッセージが含まれていることは疑いない。
定説ではこの女性は歴史の女神クリオであるといわれている。当時、歴史を描く画家こそが最高の画家であるという考え方があったため、歴史をあまり描かなかったフェルメールが『女神クリオ』を描くことで絵画の価値は歴史画だけでないことを表現しようとしたのではないだろうか。
また、仮面の意味は画家というフェルメール自身が仮の姿であるという意味かもしれない(自身は民宿の経営者でもあり職人組合の役員でもあった)
とにかく謎の多い作品ではあるが本人も家族も気に入った作品であったのであろう、最後まで手放さなかった作品である。 

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