フェルメール (オランダ1632〜1675) 「デルフトの眺望」1661年頃 油彩 カンヴァス 98.5x117.5cm ハーグ マウリッツハイス美術館

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フェルメール デフルトの眺望

 初期の宗教画と神話画を除けば、フェルメールの作品はほとんどが女性、または男女を主役にした風俗画だ。しかし風景画も2点ある。どちらもデルフトの町並みを措いたものだが、なかでも最高傑作の誉れ高いのが、この『デルフトの眺望』。一見なんの変哲もない風景画だ。

 フェルメールが生涯を過ごしたデルフトは、17世紀半ばには人口2万人を数える小都市。1572年にオランダ建国の父といわれるオラニエ公ウイレム1世がハーグからここに居を移してから、政治・経済的に重要な拠点となった。

本作はその町の南端、スヒー川の対岸から眺めた情景。中央やや左の建物がスヒーダム門で、水門を挟んで右手前の棟続きの2つの建物はロッテルダム門。その左奥に高くそびえる黄白色の塔は、フェルメールが洗礼を受けた新教会で、左手の2本の塔のうち左側に尖塔の先だけ顔をのぞかせているのが、フェルメールの埋葬された旧教会である。

これらの遠近関係を強調するため、画面の右半分は近景を雲の陰で暗く、遠景を日が射して明るく措き分けて、奥行きとリズム感を与えている。それに対応して空も、雲と晴れ間を交互に配している。勝手知ったるデルフトへの郷土愛すら感じさせる傑作である。

この作品はギャラリーアオキで購入できます。

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