西洋絵画美術館

ボッティチェリ 「プリマヴェーラ」春

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製作年:1482年
寸  法:203x314cm
技  法:テンペラ 板
所  蔵:フィレンツェ  ウフィツィ美術館
ボッティチェリ プリマヴェーラ 春
春の森に集う古代神話の神々を描いたこの作品は、メディチ家一門のロレンツオ・デイ・ビュルフランチェスコのために描かれたと伝えられている。
画面の右から、春をもたらす西風の神ゼフェロス、ギリシャ神話でゼフェロスと結婚して花々を生む大地のニンフ(精)クロリス、そのクロリスが変身したローマ神話の花の女神フローラ。
中央の赤いマントをまとったヴィーナスを挟んで、三美神、神々の使者のメルクリウス。またヴィーナスの頭上には、愛の神キューピッドが措かれている。
オレンジが実り、約40種もの花々が咲き乱れている。まさに「ルネサンスの春」を象徴するような華やかさに満ちあふれている作品だ。
フィレンツェに生まれ、フィリッポ・リッピの工房で遠近法や肉体表現などの新しい技法を学んだボッティチェリは、27歳で画家として独立した。
憂いに満ちた聖母子像やヴィーナスを措く一方で、緻密な観察に基づく肖像画、複数の人物を組み合わせて空間の奥行き感を演出する『東方三博士の礼拝』(1475年頃 フィレンツェ、ウフィツイ美術館)やヴァテイカンのシステイーナ礼拝堂の壁画1481~82年)などを制作し、15世紀のフィレンツェを代表する画家となった。
優美な線と繊細な色調で、古代神話という当時としては画期的な主題を描き出した『春』は、『ヴィーナスの誕生』と並ぶ彼の代表作である。
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